捨てる服を作らない
~ものづくりに関わるすべてがみえる服作りのブランドciroc ~
現在のアパレル業界は大量生産・大量消費のビジネスモデルが作り上げられ、効率を上げることに力を入れている。今の売れ筋を週単位で分析し、同じようなデザイン、価格が優先されるようになっていると強く感じる。
私自身、アパレル業界で約15年間現場の小売店と接してきた経験から、昨今の大量生産、大量消費の現代の消費傾向に悩み、ショッピングセンター、大手小売店舗と差別化を図りたい店舗と、一緒にものづくりがしたいと考えるようになりました。サステナブルな生地、付属品を使用し、環境にやさしい服作りをして、地方路面店の役に立ちたいと考え、2022年に新ブランド「ciroc(運営:株式会社いろどり企画)を設立しました。
cirocが掲げる5つの約束
1.生産者を守る服づくり
日本では「たくさん作られた安い服を着る文化」が根付いてしまいました。その結果、苦しい思いをしているのが「日本の繊維・織物業界」です。
世界トップクラスの技術力を持っているにも関わらず、小さな工場が多いため、大手企業が求める「大量生産・低価格」の服づくりができず廃業が相次いでいます。「日本産の生地」を使用して「日本で縫製」した衣服【Made in Japan】の国産比率はわずか2%といわれています。これが、今日の日本アパレル業界の現実です。
cirocでは国内で服づくりに携わる「織物産地」「縫製工場」に適正な利益を還元し、日本ブランド(Made in Japan)を守っていきたいと考えています。これを「生産性向上」や「人材確保」に繋げ、雇用の安定や地域経済の活性化に貢献していきます。
2.捨てる服をつくらない
日本では新品の服が1年間で10億枚廃棄されています(4枚に1枚が廃棄)。なぜ大量に捨てられているのか?服を安く販売するために大量に生産されているからです。
cirocでは商品ロスを無くすために
- 販売を見込んだ量だけの生産
- 流行に左右される洋服ではなく、できるだけシンプルなシルエット・デザインにすることで2年、3年と着て楽しめる服づくり
- 工場で生産する過程で余ってしまった生地(残反)を使用することで、値ごろ感のある価格で仕入を実現し生産ロスをなくす
この3つを実施することで、廃棄ロス0を目指します。小ロット生産のため単価は高くなってしまいますが、その価格に見合う服ということをしっかりブランディングし、販売しています。
3.生産者の想いが顧客に見える服づくり
『この服がいつ、どこで、どのような経緯で作られたのか』というトレーサビリティへの関心が高まっていると考えています。
cirocでは「生産者の顔」や「こだわり」「想い」が顧客にもしっかり伝わるような広告宣伝を実施します。洋服のタグに「縫製工場の名前」「どの工場で織られた洋服か」を入れるなどして、弊社ブランド名だけでなく、洋服作りに携わった工場名なども印字。お客様の目に触れる機会が少なかった「工場」を全面に出し、川上(縫製工場・生地工場)・川中(製造メーカー)・川下(顧客)、三者の風通しを良くするブランドを作り、育てていきます。
4.透明性のある、嘘のない服づくり
「なぜこの価格になっているのか」説明できる服作りをしたいと考えています。ここ10~20年のアパレルの現状は、工場はメーカーに『いつまでに、何枚、このコストで作ってほしい。』と言われるままの値段設定でしたが、cirocが携わるすべての工場は、工場が適正なコストを提示し、積み上げ式の価格設定をしています。
手に取った顧客が商品に対し、デザイン・価格・時期など納得していただける商品だけを継続的に作り続けていきます。
5.現場の方々と一緒に0から商品開発
日本各地の職人・工場の方々の意見を汲み上げながら、いま売れている商品をダイレクトに商品開発に反映します。