古橋織布有限会社（静岡県浜松市）

1928年（昭和3年）創業の織物メーカー【古橋織布有限会社】

世界的に貴重価値の高い旧式のシャトル織機を使いながら、綿を中心とした天然素材にこだわったモノづくりをされています。

会社のある静岡県浜松市は、かつて泉州（大阪）、三河（愛知）と並ぶ日本三大織物産地として栄えた場所であり、古橋織布有限会社様も「遠州織物の素晴らしさを多くの世代に知ってもらうため」に、アパレル向け織物製造・販売をはじめ、オリジナルブランドの立ち上げなど様々な活動をされています。

その昔、浜松市には約１６００ほどの遠州織物を扱う工場がありましたが、今では４０前後になってしまったそうです。

稀少な「阪本式シャトル織機20台（56インチ×16台、66インチ×4台）、津田絢レピア織機1台」で糸にできるだけ負担をかけず、“ゆっくり”と練り上げていくことで、素材の特徴を活かした特別な風合いが生まれています。

天然素材の細い糸は、弱いものが多くて扱いが難しいそうです。

最新の織機は織るスピードは早いのですが、デメリットとして糸を“ピンッ”と張っておく必要があるため、細い糸に負担がかかってしまいます。古橋織布さんが使用されているシャトル織機は、織るスピードがゆっくりなので糸に負担がかからず“膨らみのある柔らかい生地”に仕上げることができます。

これが、服の着心地にも大きく影響してくるのです。

このようなシャトル織機は現在はもう製造されていないため、自社でメンテナンスをおこないながら大切に使いつづけています。

上質な糸を贅沢に使ったタイプライタークロスやダウンプルーフ。中番手の糸を使い、織機の上で布場がバシバシと音を立てるほどに高密度に打込まれたバフクロスなど。綿の毛羽立ちがやさしく、肌馴染みのいい生地がこの場所から生まれています。